11月16日にサンバイオのポートフォリをの一つである「MSC2」が米国に本社を置く再生医療企業 D&P Bioinnovations, Inc.と、食道再生インプラントの開発及び商業化に関する業務提携契約したというIRが突如でた。


「今度こそ申請I R!!(SB623の外傷性脳損傷適応の)」と思った方は多かったと思うが、残念ながら違うかった。PTSがそこそこ反応し、翌日株価にも反応したが、その勢いも持たず、本日19日の終値1231円。


個人的には、「当たり前かな。」と思ったIRだった。あまり心動くものでもなかった。なぜなら、SB623以外のパイプラインが、一切動かないなんてバイオベンチャーとして逆に不自然。提携できることは資金面でプラスに働くので赤字が続くバイオベンチャーにとって心強いことだが、如何せんまだフェーズ1にも入っていなくて、なんとも判断しずらい。しかし、悪いことでは無いので、冷静に横目で見るぐらいのIRだろうと思った。

そもそもMSC1・MSC2とは何か
MSC1はがん疾患
MSC2は炎症性疾患
としてポートフォリに記載されている。
(ちなみに、MSCとは間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell)の略称。 成体幹細胞の一つで、人の骨髄、脂肪などに含まれていて、骨、軟骨、腱、脂肪、神経などへ分化する能力を持っている。)

MSC1・MSC2は、2018年9月3日に突如サンバイオからポートフォリオ入りを発表されたもの。(この2ヶ月後の11月1日にTBI治験の主要評価項目達成IRで株価爆上げに至る。)

確か、これはうろ覚えだけれど、テュレーン大学で研究を行っていたアリーン・ベタンコート博士より無償で譲渡されたものではなかったかと思う。(記憶不確かです。確かなこと知っている方がいらっしゃればご指摘ください。)
(追記 コメント欄にtotochanさんから以下の情報をいただきました。ありがとうございます。

)MSC1,MSC2特許は、
「アリーン・ベタンコート博士が発明した特許を、アメリカのある会社が保有していた。ただ、その会社が今回解散することになり、特許の売り出しをしていた。サンバイオのアメリカの従業員が博士ともともとつながりがあった関係で、その売り出しについて情報を得た。その特許内容について社内にて精査し、可能性があると判断したため特許取得に動いた。」 「なお、金額については、非開示という前提で、業績に修正が出るほどの規模ではない。」)

当時はTBI(外傷性脳損傷)の結果待ちの状態で、「無償譲渡を受けるくらいサンバイオは研究者からも信頼と期待を得ていて、そして今回お得にポートフォリオが増えて幸運!」ぐらいの空気感だったと思う。 


その後動きがあったのは、半年後の2019年3月の決算説明会動画。
シレッとMSC2が「研究」段階から「非臨床」を超えて「フェーズ1前」まで進んでいた。
そしてさらに一年後の2020年3月にMSC2の視神経炎適応についてにOcumensionと提携を行なっている。


MSC1(がん疾患)はポートフォリをに入った時から「研究」段階から動かないまま。一方MSC2は「フェーズ1前」まで進み2社との提携に進んでいる。

つまり、MSC 1よりはMSC 2が見込みありと言うことだろうか?しかし、それにしてもまだフェーズ1前。1も2も、ああだこうだと期待するのには時期早々。

SB618(末端神経障害 等)やSB308(筋ジストロフィー 等)もずっと動かずのままだが、水面下では動いていて、いつか進捗が示されるだろうと思うが、それがいつなのかは全くの不明。

結局SB623が上市できるかどうかがサンバイオの命運を握っていることは間違いない。早いもので今年も11月。ぜひ今年中のSB623の承認申請を果たして欲しい。 それが無理なら、せめて「○月目標」ぐらいのことは示してほしい。早く申請されて、皆さんと喜びを分かち合いたい!

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※写真は2019年の株主通信より 

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