気になっていることを論文等を根拠に、自分なりに追究してみた。
(自分は自他共に認める文系人間です。文系人間による理系研究ですので、限界は自覚してあります。専門家ではない個人的分析としてご容赦ください。)
1 パーキンソン病研究でのプラセボ出現
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscpt/40/4/40_4_145/_pdf
パーキンソン病では、外科的侵襲が加わるとプラセボ効果がより大きくなる旨の記事。おそるべしプラセボ。思い込みによるドーパミンの放出増加からのプラセボ発動と思われる。脳内の快楽物質とも呼ばれる神経伝達物質ドーパミンが減少し、それによって体の運動機能に障害が出るのがパーキンソン病だから、ドーパミンさえ出れば改善に向かうというのは当たり前の事象で仕方ないことだろうか。SB623は適応疾患としてパーキンソン病の開発も掲げてある。これは薔薇の道か?開発を進めるにあたって、このあたりにも戦略はあるのかないのか、聞いてみたい。脳梗塞P2b治験未達要因にプラセボがあったと仮定して、なぜ、脳梗塞1/2aおよびTBI2治験では達成した? そこがますますわからない。この記事でも触れられている下図の考え方が当てはまるのだろうか?だとしたら、プロトコールによって、脳梗塞P3で挽回は大いに可能ではないだろうか?
この「プラセボ最強説→でも治験のやり方でクリアできるよ。」という考え方に立った場合、やはりP2bのやり方はどうであったのか、原点に帰らざるを得ないので以下2に続く。
2 治験の包含基準と、除外基準から考える。
臨床研究データベース
より、組み入れ基準を機械翻訳しながら見てみる。
___________________________________________________________________
慢性期脳梗塞P1/2a
包含基準:
皮質の関与の有無にかかわらず、MCAの皮質下領域または水晶体線条体動脈における1つの完了した虚血性脳卒中の記録された履歴
脳卒中後6ヶ月から60ヶ月の間で、運動神経学的欠損がある
理学療法/リハビリテーションによるさらなる改善はありません
頭部のコンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴画像法(MRI)、およびポジトロン放出断層撮影(PET)スキャンを実行できること
除外基準:
複数の症候性脳卒中の既往
発作の歴史
その他の主要な神経疾患の病歴または存在
過去6か月以内の心筋梗塞。
皮膚の扁平上皮がんまたは基底細胞がんを除く悪性腫瘍の存在が知られている
最初のスクリーニングから4週間以内および試験参加から7週間以内のその他の治験トライアルへの参加
頭部CT、MRI、またはPETへの禁忌
妊娠中または授乳中
慢性期脳梗塞P2b
包含基準:
18歳から75歳まで
MCAの皮質下領域または皮質関与の有無に関わらず水晶体線条体動脈で完了した虚血性脳卒中の既往歴、MRIによる相関所見
脳卒中後6~90ヶ月(7.5年)であり、慢性的な運動神経学的欠損がある
実質的な脳卒中による神経学的運動障害
mRS2~4
Motricity Index 30-75(UEスケール)または27-74(LEスケール)が必要
計画されたすべての神経学的評価を受けることができる
コントラストおよびコンピューター断層撮影(CT)を使用した磁気共鳴イメージング(MRI)
抗血小板薬、抗凝固薬、または非ステロイド系抗炎症薬の使用は、地元の医療スタッフが、ACCP 2012ガイドライン「抗血栓療法の周術期管理:抗血栓療法および血栓症の予防、第9版」に従って決定することに同意する:アメリカンカレッジオブチェストフィジシャンエビデンスに基づいた臨床診療ガイドライン」、該当する場合、術後8日目のMRIが読まれ、再起動しても安全であると判断されている
被験者は、入室前に理学療法を受けている必要があります(可能な限り継続する意思がある)
外科的処置の前後1週間は漢方薬または非伝統的薬を中止し、可能な範囲で継続する意思があること
インフォームドコンセントを理解し署名する患者または法定代理人の能力
除外基準:
脳卒中以外の他の主要な神経疾患の病歴または存在
MRIで測定した脳梗塞サイズ> 150 cm3
原発性脳内出血
過去6か月以内の心筋梗塞。
寛解期で5年を超えない限り、悪性。
脳卒中に関係しない脳のMRIでの臨床的に重要な所見
スクリーニング前の3か月間の発作
肩、肘、手首、指、腰、膝、足首の5度以上の拘縮
運動機能を制限するその他の神経疾患、神経筋疾患または整形外科疾患
以下を含むがこれらに限定されない、制御されない全身性疾患:高血圧;糖尿病;腎不全、肝不全、または心不全
非悪性の病因が確認されない限り、潜在性悪性腫瘍の検査での陽性所見
うつ症状を含むコントロールされていない主要な精神疾患(CESD Rスケール16以上は除外)
スクリーニング時の総ビリルビン> 1.9 mg / dL
スクリーニング時の血清クレアチニン> 1.5 mg / dL
スクリーニング時のヘモグロビン<10.0 g / dL
スクリーニング時の絶対好中球数<2000 / mm3
スクリーニング時の絶対リンパ球<800 / mm3
スクリーニング時の血小板数<100,000 / mm3
AST(SGOT)またはALT(SGPT)によりサポートされる肝臓病
スクリーニング時の血清カルシウム> 11.5 mg / dL
患者が抗凝固剤を服用していない場合、スクリーニング時のプロトロンビン時間の国際標準化比(INR)> 1.2。抗凝固薬を使用している患者の場合、手術前にINRが1.2以下であることを確認する必要があります
頭蓋骨切除術または定位手術の他の禁忌の存在
最初のスクリーニングから4週間以内、およびベースライン訪問から7週間以内のその他の治験トライアルへの参加
ベースライン訪問の16週間前に、ボツリヌス毒素注射、フェノール注射、くも膜下腔内バクロフェン、または痙縮に対する他の介入治療(装具および副木を除く)
物質使用障害(薬物またはアルコールを含むDSM-V基準ごと)
頭部MRI(造影剤)またはCTへの禁忌
妊娠中または授乳中
12か月の研究期間中に適切な避妊法を使用したくない出産の可能性がある女性患者
治験責任医師が被験者の安全性または研究の意図と実施を妨げる可能性があると考える他の条件または状況
以前のSB623細胞移植および/または投与方法に関係なく脳卒中またはその他の理由のための以前の幹細胞治療
_____________________________________________________________
こう見ると、P2bは
・発症してから長い人も組み入れ。(60ヶ月→90ヶ月に延長)
・「リハビリによる改善がないこと」の規定を削除。
・mRS2(比較的軽度)も包含。
・理学療法の継続を推奨。(←これなぜ??)
が目に付く。
特に2~4つ目は、今になれば、素人目にも無理がある気がするのだけれど・・・そこまで治験を急ぐor裾野を広げる必要性があったのだろうか?これは大日本住友製薬の経営的都合からだろうか?どなたかが指摘されていた、治験施設の増加によるお医者さんの技量のバラツキもあったのかもしれない。1で考察した通り、プラセボ効果が絶大に効いた可能性も否定できない。
こうやって、無理にでも治験を推し進めた理由は
・大日本住友製薬の経営的都合
・競合他社との兼ね合い(医療の発達は近年加速傾向)
・裾野を広げ利益を最大限上げるため
・探索的臨床試験と言われるフェーズ2ならではの試し
などが考えられる。しかし、いずれにしてもこうみると、P3でやり直せば、十分成功すると思える。結論、やはり、P2bの未達は、プロトコールの失敗だろう。でないと、p1/2aとTBI P2の成功が説明できない。
余談だけれど、12月22日をもってP2bの組み入れ完了から丸2年が経過したことになる。この2年データによるまさかの挽回劇に若干の期待を寄せていたが、下図の脳梗塞P1・2aのデータから言って、期待薄だろうか。
https://thejns.org/view/journals/j-neurosurg/131/5/article-p1462.xml?rskey=f0bZtR&result=1(←よりPDFをダウンロード)
12ヶ月後も24ヶ月も効果が持続しているのは素晴らしいが、12ヶ月→24ヶ月でさらなる改善をきたしているとは読めない。だとしたら、ビジャン・ネジャドニク(開発、規制担当)の、「追加の試験を持って進めていく。それからフェーズ3にいずれ入る。」の発言をどう解釈すればいいのか。追加の試験ってなんだろうか?
本考察を通して、やはりサンバイオへの期待が高まった。そして何よりTBIがある。TBIの2020日本国内上市。→あっという間の世界中での上市。 慢性期脳梗塞のP3開始。世界中での提携、導出。etc・・・楽しみはこれからか。
がんばれサンバイオ!より積極的な情報開示と方針説明を求めますが、やはり強く応援しています。
コメント
コメント一覧 (17)
また質問させて頂きます。
ところで、muse細胞 脳梗塞の治験は2020年1月終了するとなっています。関連記事
https://nagoyastartupnews.jp/nalic-lifescienceinstitute/
これがサンバイオにどのような影響を与えると思われますか?もちろんTBIと用途は違いますが、脳梗塞に関しては競合するのでしょうか。
三菱ケミカルはmuse細胞を年頭に置いて田辺三菱を子会社化してるとの事で本気度が高いと思われます。
ご意見を伺えればと思います。
bobouchan
がしました
muse細胞についてはあまり視界に置いておりません。
理由は
・自家細胞であること
・急性期が対象とされていること
だからです。サンバイオとは競合になり得ないと思っています。
一点興味があるのは静脈内投与という点です。これで効くなら脳関門などどうやって通過するのか???など素人だからかもしれませんが不思議に思います。
いかんせん視界に置いていないことなので認識違いであったり間違いがあったらごめんなさい。どなたか補足していただける方が出てくるかもしれません。
bobouchan
がしました
「三菱ケミカルホールディングスの子会社、株式会社生命科学インスティテュートは開発するMUSE細胞は、亜急性期(発症後2週間程度)の脳梗塞を標的にしているが、SB623は慢性期(発症後6か月以上経過)の脳梗塞を標的にしているため、直接の競合にはならない。」
更に、細胞医薬品による脳梗塞治療においては、急性期・亜急性期は静脈投与、慢性期に関しては患部への直接投与がコンセンサスになっている模様です。
脳梗塞になった脳細胞が完全に死んでしまう前に、できる限り早く血流を再開して少しでも脳細胞を救ってやろうというのが“血栓溶解療法”です。具体的には、静脈投与は、一定時間点滴することで、脳内に詰まった血栓を溶解して、閉塞血管を再開通させる効果が認められています。つまり、脳細胞が死んでしまっては、もうこの手法は通用しなくなります。
尚、生命科学インスティテュートの創薬技術レベルは、非常に高く、田辺三菱が絡むとすれば、開発成功後、販売のみになると個人的には思います。
因みに、Muse 細胞製品の細胞加工施設を2018 年 10 月に 竣工、床延べ面積1,267.5 ㎡です。2019 年 8 月 7 日には、Muse 細胞製品の細胞加工施設(名称:殿町 CPC)において、再生医療等製品製造業の許可を取得しております。かなり順調です。
bobouchan
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詳しい方のご意見心強いです。
去年は本当に心休まりませんでしたが、慢性期脳梗塞の成功を願っています。また貴重なご考察をブログに掲載して下さい。
bobouchan
がしました
田辺三菱がやるとなれば、製造も販売ルートも敵わないのではないかと思ったのですが、競合しないならひとまずこの心配は横に置きます。
再生医療の研究開発を各社頑張っているのは社会の為に良い事ですから文句も言えませんね。
ありがとうございます。
bobouchan
がしました
①2018年3月13日がTBIの日米組み入れ完了日。丸2年はもうすぐ。2年データとってるのかとってないのか知らないが1つの節目。
②TBIで突出した500万投与群onlyを見れば、脳梗塞P2bも何かしらの好成績は出るかもと非常に淡い期待。
③大日本は、ipsに重点。9月20日に、サンバイオ はSB623の網膜疾患を適応症とした共同研究IRを出したが、その前の6月13日には、大日本がヘリオスとのips由来眼疾患共同研究をさらに推し進めるIRを。サンバイオと大日本の競合感有り。大日本はipsに重きをおく上に、3200億の巨額買収を発表したのが9月6日。この経緯の上で、SB623に固執する理由はないとも取れる。サンバイオに投資した分は、サンバイオの株を保有することでゲインを得られると判断しても、見事な経営判断だと思う。
直近、1月15日現地時間AM9時に、サンフランシスコである、JPモルガン・ヘルスケア・カンファレンスにサンバイオ登壇。これが楽しみ。
bobouchan
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細胞を使用する際には、細胞調製室のクリーンルーム内にて解凍し投与する細胞懸濁液(培養中の細胞または微生物を液体媒質中に懸濁―溶解―させたもの。)の調整を行います。
この最後のところが、実は難しいのではないか(医療機関でバラつきが生じやすいのでは?)と感じています。SB623は、希釈されます。希釈倍率が異なれば細胞数が影響されます。所謂濃度の問題です。Strokeフェーズ2b試験失敗の一因の可能性は否定できません。
但し、もし、そうであれば、ここの部分についての作業手順の均一化を図ればよいことにはなります。液体媒質をどの程度使うのか、厳密に管理させる必要があるということです。
折角500万細胞を採用したのに、250万細胞の効果しかなかった、ということは起こりえます。
多分、こういうことのトレースは困難なはずです。
細胞数測定方法は、結構複雑です。患者投与前にチェックは不可能です。下記のとおり、とても面倒です。
細胞数(cells/ml)=(測定した合計細胞数)/(測定した区画数)×希釈倍率 × 104
総細胞数(cells)= 1ml 当たりの細胞数×細胞懸濁液の容積
細胞生存率(%)= 生細胞の計測数 / 全細胞の計測数×100
bobouchan
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bobouchan
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totochanさんがおっしゃるCPCについて僕も興味あります。この辺りのことも、4月の総会ででも語られるといいなと感じています。僕も勉強してみます。
勉強させてもらっていますさん
100億円ぐらいでしょうか ←ウソです。笑
保有数とキャピタルゲインについては、非開示の方針ですが、目指している専業になれた暁には、言える範囲で言うかもしれません。
bobouchan
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bobouchan
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TBIの来期中の良い動きは、必ずある。
が僕の考えです。ないほうがおかしい。来期と言っても、あと数週間で来期です。来期のいつかはまだ明瞭ではありませんが、必ず大きな動きがくるでしょう。
bobouchan
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【お知らせ】 サンバイオ株式会社第7回定時株主総会は、2020年4月28日(火)10:00からを予定しています。
第6回定時株主総会と異なり、今回はベルサール新宿セントラルパークでの開催を予定しています。詳細は、4月中旬に発送を予定しております招集通知をご参照ください。
と、株主総会スケジュールをかなり前広にアナウンスメントしていますね。
前回は、4月初めに出ていたと記憶しています。
ささやかなる株主サービス向上ともいえます。
会場のイベントホールは、全部貸切にすれば、990席で、かなり改善されます。旧会場は、狭かったです。
前回、当社には、会場が狭すぎるので、もっとゆったりした会場に変更してくれ、とメールで希望しました。
1人2問まで、何を質問するか、4月になったらじっくり考えます。
bobouchan
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今まで金曜開催は仕事柄どうしても無理だったのですが、今回は火曜日開催ということで出席できるかも知れないと今仕事の調整中です。行けると嬉しいのですが・・・!このブログにも毎日一定のアクセスがあります。totochanさんのコメントに励まされる方も多いと思います。ありがとうございます!
bobouchan
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昨年は2月の大阪のセミナー、4月は初の総会に参加し経営陣の一挙手一投足を確認して握力が強まりました。今年も行く予定ですが今回はさすがに荒れそうですかねぇ(汗)
あと総会で思ったのは、皆さん森社長のことばかり話しますが、私には川西会長に圧倒的な存在感を感じました。経営陣は学歴や経歴が超エリートなので当然皆さんすごいキレッキレだったんですが、その中でも特にオーラが違うと感じました。私のような平凡サラリーマンとは生きる次元が違う人方々ですね。
bobouchan
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bobouchan
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こんばんは。暴落後、なにもしませんでした。その間半値まで戻した時期がありましたが信じて売りませんでした。たられば、2019年1末と同じです。そのことを嘆く気もありません。大きく下げる新興銘柄では よく見てきました。ほんとに株価的には戻らないでいるもの 多く見ました。今更 それを言ったところで仕方ない。ただ、ぼーちゃんさま、このまま ここも沈んでいくのでしょうかね。。ここのおかげというか、皮肉ですが 株取引しなくなって 元気になりました。関係なく株価は下がる一方ですが。難しさも理解できますしリスク大の運用株式新興も理解できますが、むざむざ なし崩しにSB623がないものになるのか、の垂れ込める暗さに立ち尽くしています。ぼーちゃんさまの元気、救いですが。。
bobouchan
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bobouchan
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