本日、サンバイオは大日本住友製薬との提携解消及び、TBIの国内申請延期を発表した。どう読み解けばいいのだろうか。
■ポジティブな事実
・TBIフェーズ2の成果
・9月19日決算説明会でのチーフ・メディカル・オフィサーのビジャン・ネジャドニク(開発、規制担当)の、「脳梗塞についても自信を持って進められる。」「追加の試験を持って進めていく。それからフェーズ3にいずれ入る。」の発言。
・10月18日発行のブリッジレポート内での森社長「まずは、日本における外傷性脳損傷の今期 2020 年1月期中の承認申請、来期2021年1月期中の販売開始という計画の進捗に期待していただきたい。加えて、外傷性脳損傷のグローバルフェーズ3の開始と完了、米国における慢性期脳梗塞の今後の開発計画公表、適応疾患拡大のための途中結果、開発や事業化に関するアライアンスの公表など注目材料は多い。来年 2020 年に製薬企業へ脱皮した後、2025 年にはグローバルリーダーへと成長することを目標とする当社をこれからも応援していただきたい。」という発言。(この1文目がたった2ヶ月後に白紙にされたのがいただけない。)
・日本の「さきがけ審査指定制度指定」
・米国の「RAMT指定」
・欧州の「ATMP指定」
・スズケンとのRーSATシステム
■ネガティブな事実
・大日本との提携解消
・TBI申請延期
・欧州プライム指定がなかなか来ない。
上記は確とした事実。この2極事実を天秤にかけると、それでもやっぱりポジティブにしか取れないのは自分の思考が偏っているからだろうか?
・経営が揺らいでいる大日本側の他パイプラインとのからみや、自販にこだわりたいサンバイオ側の思惑が合致し、解消に至った(サンバイオの戦略通り。)。
・TBI申請延期は、「商業用製品生産準備に十分に時間をかけ市販後の安定供給責任を果たすため」の額面通り(だとしても、5月の国際募集70億に疑問符がつくが。「製造委託企業の複線化」は?ただ、需要を見越して、何万、何十万、何百万の細胞医薬品を作るのは、いくら他家移植と言えど、製造に時間がかかるのは想像がつく。)。
など、ポジティブ路線が消えたわけでもない。
何れにせよ、今日の発表だけではイマイチよくわからない。2018年2月の帝人との提携解消時、掲示板で盛んに議論され、あの時はよくわからなかったが、結局良い方に転んだことを思い出す。今回もそうである可能性も十分にある。アキュセラと比べられがちだが、上記「ポジテイブな事実」がある点で、アキュセラのような心配は全くの論点ズレ。
2020製薬企業への脱皮を掲げているサンバイオ 。2020年6月末までに申請すれば、間に合わないこともない。そういう意味では想定内か。そもそも2020年1月末までの申請を「目指す。」わけであったし。大日本をはるかに超えるメガファーマとの北米市場大型契約を結べば、TBIもstrokeもセットにした展開ができるし。期待は消えないし、冷静に見れば、すべて想定内の出来事で大したことでもないような気もしてくる。それでも、以下のことを要望したい。
■サンバイオに要求したいこと
・一刻も早い、脳梗塞のデータ開示を。(12月22日の組み入れ完了2年データを待っているのなら待っているで、その旨の発言を。)大日本も降りたので、どこに遠慮することなく出したらいい。
・本日の2大発表について、きちんとした説明を。1月のサンバイオショックを踏まえて、「市場とコミュニケーションを密に取りたい。」と確か言っていたので。市場の混乱は、社としても望んでいないはず。
上記、節に要望します。応援している多数の人間がいることを忘れないでください。
コメント
コメント一覧 (10)
bobouchan
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私も今回の提携解消と承認申請の延期はショックであり、このようなネガティヴな内容をまとめて開示したサンバイオの配慮のなさに正直、憤り禁じ得ません。あまりに株主への配慮が欠けています。
ぼーちゃんさんの言う通り、このような否定的な内容を発表するときは、併せて治験の詳細を公表して、サンバイオ単独でも開発を進めると決断した明確な根拠を示すとともに、申請時期も来期だとか曖昧なものではなく、何時までにと明言するべきでしょう。また、新しい提携先の開拓も必要不可欠です。
これらの詳細を明らかにする説明会を可及的速やかに開催するように切に願います。
bobouchan
が
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サンバイオに本日メールを出しました。多忙で、メールが殺到している事は承知で出しました。批判、罵声は誰にでもできます。応援の気持ちを添えて、要望をお伝えしました。会社サイドに、真摯に応援している私たちの声が届くといいな〜と思います。うまくいかないことはどこにでも誰にでも常です。私たちが愛する会社です。真摯な攻めの対応を期待します。
bobouchan
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「商業用製品生産準備に十分に時間をかけ市販後の安定供給責任を果たすため」を日立化成の買収劇とからめる声が聞かれますが、僕としてはやや疑問に思うこともあります。M & A
関連は、社員の待遇や、企業風土の変化などをもたらしますが、「通常業務」が滞ったりはそんなにしないはずでは?と思っているからです。(もちろん一概には言えませんが。)買収が報道されるずっと以前から、サンバイオと日立化成の提携は決まっていました。日立化成の中でSB623製造は着手していたはずですし、このことがM &Aで多大に影響を受けることにはならないのではと思う気持ちが先立ちます。(繰り返しになりますが、一概には言えず、買収先が決定してから製造ラインの確保に動くという可能性ももちろんあるので、買収劇が影響を及ぼしている可能性も否定はしません。)
国内TBI患者様は、米国ほど多くありません。頭部外傷受傷者は年間4万人、その3割は退院時に重度障害を後遺していると言われます。一回の培養で数千人?分できるはずだったので、国内申請に関して量産体制が築けないというのは疑問です。
ただ、何せ画期的再生細胞薬です。楽天が通信事業で手こずっているのとは次元が違う、我々には想像できない難しさがあって当然です。「量」の問題なのか、ドナー確保などの「質」の問題なのか、流通面に関してのR-SATシステムの進化の問題なのか、何かしらの面でさらに盤石な体制を築こうと努力していると読みたいです。
しかし、仰るとり、推理ばかりさせられますね。ここばかりは、もう大日本などの提携先に気を使うこともないので、「PMDAに口止めされている。」「厚労省と折衝中で詳細は言えない。」とかそんな表現になってもいいから、情報提供の質を従来の何倍にもしていただくことを節に願います。
bobouchan
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何時の楽しく拝見させていただいております。
今回の件、やってくれたなという感じです。
脳梗塞については、想定内でしたのでいいのですが、TBIについては理解不能です。
量産の壁はかなり前から解決済みとの話だったと思いますが、そこが問題とは信じられません。期限も最大で1年延期とは、RMAT指定の時に把握できていたのではないかと思うぐらいであり、その時に同時に延期のIRを出していれば、ここまでの騒ぎにはならなかったのではと思います。
私見ですが、PMDAの方から、TBIの申請においても、脳梗塞のデータとの結果の違いの理由なども整理してもらいたい等の要望があり、調整に時間を要しているのかなと思います。
ともかく、TBIについては具体的なスケジュール及び、安定供給に向けた課題及び解決策や、想定の供給量等を早急に説明してもらいたいものです。
bobouchan
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bobouchan
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脳梗塞の解析はダメだったのだろうと思います。スタインバーグ先生もふっつりとコメント出さなくなってますし。ではTBIはなぜ?とも思いますが、とりあえず結果は出したのだし安全性が確認されているのですから、企業として最速で上市に向けて邁進して頂きたいと思っています。SB 623は効果に時間がかかる薬なのかもしれないし、意外な効用がある薬なのかもしれません。複数回投与だとどうなるのか。他に薬ないのですから、試したい人はたくさんいるのですから世に出る意義は深いと思います。
TBIに関しては遅れたとしても、申請も承認も通らない理由が今のところ見えませんからホールドしようと思ってます。
bobouchan
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bobouchan
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有意差有りなので、諦めません。
bobouchan
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bobouchan
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