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ぼーちゃんのブログ〜がんばれ!サンバイオ!〜

世界初の再生細胞薬を開発するサンバイオを追うブログです。

2021年12月

 本ブログの恒例になっている、サンバイオ年末のまとめを今年もやろうと思う。
 今年のサンバイオを一文字で表すのなら「待」(待ち)だろうか。とにかく申請を待った1年だったと思う。昨年12月は、電話対応の廃止とTBI承認申請2度目の遅延を表明して終えるという悪い終え方だった。それに比べれば、今年は、申請にまで至らなかったにせよいい年だっただろうか。振り返ってみようと思う。(大納会今日の終値1007円。)


1月
 Neurology誌でTBI p2の中間解析結果を発表し、モルガンカンファレンスでの企業プレゼン予定をお知らせ。それなりの医学界雑誌への掲載と、それなりの米国金融機関でのプレゼンは、悪い流れにある中にあって、悪くはない情報だったが、流れを断ち切るほどの良い情報でもなかった。
 そんな中、SB623と同じく「先駆け審査指定制度」&「希少疾病用再生医療等製品指定」を受けている、第一三共のDS-1647(G47Δ)が申請をした(その後6月11日承認)ことは自分内で大きなニュースだった。この2つの指定を受けている再生医療等製品はSB623とDS-1647とゾルゲンスマの3品だけ。遅延を重ねたDS-1647(G47Δ)が申請できたということは、SB623も必ずできると確信が深まった。このDS-1647申請は、新年早々のビッグ良ニュースだった。




2月
 モルガンカンファレンスでの企業プレゼ動画を公開。森社長、あんまり英語が上手くないことが地味に驚いた(すみません)。ドイツ語の方がご堪能なのだろうか。だとしたら、3ヶ国語か・・・それもすごいな・・・そして、薬事部長の澤口和美さんによる第5回DIA再生医療製品・遺伝子治療用製品シンポジウムプレゼンテーション資料も公表された。澤口さんは、この後の3月の機関投資家向け決算説明会で辻村副社長が名前を出された方。期待されての入社であるようだし、影ながら応援しています。一層のご活躍を期待したい。



3月
 TBIp2の結果を日本脳神経外傷学会で発表。このことの資料公開等は特になかったが、学会での発表は良いこと。どんどん攻めてほしい。
 機関投資家向け決算説明会では、副次評価項目について初めて言及し、「障がいの度合」「手の動き」「歩行速度」「患者と医者の印象としてどれぐらい良くなったか。」について、いずれもベースラインからの改善が見られたと明言。 また、発売に向けた準備状況は、山本事業部長から「最終段階に入る少し手前にいる」発言があり、従来までの「○割」という言い方から明らかに前進。 また、薬価についても提出資料の準備を鋭利進めている状況ということと、辻村副社長の「再生細胞薬のグローバルリーダー目指して人材への投資を継続」等の発言から、前進具合と本気度が伝わってきた説明会だった。


4月
 株主総会。自分は飛行機チケットも取っていたが、コロナで断念した。しかし、オンラインライブ配信が行われ、とてもありがたかった。今後も続けてほしい。
 株主総会招集通知からわかった11名の人員増加(毎年毎年順調に増加中)は良情報だったし、一度は退いた大株主にSBI証券が返り咲いたことも良情報であったと思う。(株主総会の様子は、ここにまとめてあります。 → 
http://bouchan.info/search?q=サンバイオ第8回定時株主総会



5月
 特記事項なし



6月
 特記事項なし



7月
 山本事業部長退社。これには相当驚いた。「退職後もシニアアドバイザーとして当社を支援します。」ということで、この文言がなければ、心が折れていたかも・・・退職理由を知りたい衝動に駆られたが、どうすることもできず。



8月
 その山本さんがweb講演をされるということで、仕事をダッシュで片付けて帰宅し、拝聴した。(その時の記事 →  http://bouchan.info/archives/30040354.html)個人で起こされている会社の事業に専念したいことが主な退社理由であり、SB623は「発売できる見込みですので」の一言に安心した。サンバイオシニアアドバイザーとしての今後のご活躍にも期待大!



こう見ると、5月~8月は大きな動きが無し。これもすごいな・・・それぐらい、水面下での申請準備に勤しんでいたことだろう。



9月
 機関投資家向け決算説明会の音声が公開。相変わらず「当局関連で詳細は言えない」が貫かれた会だった。ただ、その中でも
・「国内承認は始まりですので、その後のグローバル展開についてもしっかりお知らせしていきたい。」
・2年前も遅延したことに触れながら、その間製造安定供給の課題を中心に「対策を終了してきております。」
・「この半年間新たな問題が発生したということはありません。」
・「特にこの3ヶ月は医師・医療従事者・スズケン・製造メーカーとこれまで以上に密に連携を図っています。」
・「承認要件にフレキシブルに変更できる組織体制を構築しています。」
・「R-SATシステムについては、液体窒素での物流のための容器やケースもすでに購入しています。」
 このような発言があり、安心材料が散りばめられた会だったと思う。「当局との相談」を何度か口にされそのニュアンスからも「先駆け総合評価相談」にこの時期には入っていると個人的には思っているが、真実は分からない。(ちなみに、「もし」入っていて、4ヶ月ルールで申請受理なら、1月中旬ごろまでには申請となるが果たして・・・)



10月
 束原直樹さんが新任執行役員・事業部長に就任。7月退社の山本さんの後任と見られ、きちんと穴が埋まりよかった。株価低迷の中でも、新規入社の方が増えてくるのは喜ばしいこと。会社にそれだけの可能性があり、人生を賭けたいと思わせる材料がある所以であると思う。



11月
 慢性期外傷性脳損傷患者の評価指標の比較をExpert Review of Neurotherapeutics 誌に発表とIR。
 2020年9月に、慢性期脳梗塞のMCID(”最低どれだけ改善値を示せたらいいよ”っていう最小値)を設定することで、未達だったはずの治験の良好な結果を梗塞量を限って見れば示せた。この時、確かストップ高2連だったか。

 この最小値の慢性期外傷性脳損傷バージョンを専門誌で発表したことのIR。これからは外傷性脳損傷による運動機能障害を正確に測れることになり、つまり、より正確に臨床試験の結果が示せることになり、このことによりTBI国際P3が磐石になると考えられるし、既存FMMSで有効性を示すことができたTBI P2の結果が、一層芳しいものとして再提示できるかもしれないという期待が持てる。待ち侘びられる申請についても、PMDAも満額納得の申請受理につながる。
 さらに、11月16日には、ポートフォリをの一つである「MSC2」が米国に本社を置く再生医療企業 D&P Bioinnovations, Inc.と、食道再生インプラントの開発及び商業化に関する業務提携契約したというIRが突如でた。埋もれていたパイプラインが前進することはいいことだが、如何せんまだフェーズ1前なので、ああだこうだと考えるのは次期早々。



12月
 決算短信の中に組み込まれたこの一文「SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムは、現在、この『先駆け総合評価相談』のフェーズにいます。」に歓喜した株主は多いはず。また、全米外傷性脳損傷レジストリ協会(National TBI Registry Coalition、以下「NTRC」)設立のIR。さらには、新規コミットメントラインのお相手は、「りそな銀行」。(3大メガバンクとはお付き合いがあるが、そこに、新規に銀行業界6位の大手りそな銀行も加わってきた。)
 翌日ストップ高1回。先駆け総合評価相談と全米協会と、どちらのIRに市場はより強く反応したのかは分からないが、全米協会IRは、米国という巨大市場に関わることなので、奥が深いIRだと思う。今後の動きを注視したい。





 こう振り返ると、目立つ動きというよりは、水面下での動きを愚直に進めてきた感がある。
 華がある1年ではなかったが、どれも未来での飛躍には欠かせないことである。まさに「待」の一文字。申請を待って待って待って、の一年だった。先駆け総合評価相談のフェーズにいると明かされた今、2022の早い時期には、無事に申請となるだろう。そして、その半年後には承認。そう思うと、やっと2022こそサンバイオにとって新たなスタートの年になる。想定よりも、数年遅れているが、あとで振り返れば2021は「待てば海路の日和あり」「急がば回れ」の時期であったと思いたい。
 現在日本企業の中で世界の時価総額トップ50にいるのは、40位にいるTOYOTAしかいない。そこに食い込める可能性があるのは、既存企業ではなく、サンバイオのような世界的なイノベーションを起こせるベンチャー企業しかないと思っている。日本を牽引する世界的企業が日本には必要。世界に名を馳せる新規事業の創成をぜひサンバイオに。これからのサンバイオには期待大。期待しかない。がんばれサンバイオ!! 

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SB623の申請が年内に行われないかも知れない可能性を危惧して今日の終値947円。

今日の決算跨ぎを嫌うムードもあっただろう。

しかしまさかの3桁。


切ないが、ここからのV字回復を、自分はなぜか心静かに期待していた。それは、幾年もサンバイオを見てきたからの境地からだろうか。

決して詐欺を働いたり、人を馬鹿にしたりする会社ではない。

お粗末な姿勢もあったことは否めないが、愚直に誠実に製薬に取り組んでいる真面目な会社であると自分は評価している。だから長期ホールドを決めて、短期の株価変動では一喜一憂しない。


そんな中、決算発表が今日あった。そしていくつかのIRも同時にあった。両者、期待が持てるものだった。相変わらず、愚直に誠実に製薬に取り組んでいる。それで十分。心穏やかに年末年始を迎えられる。サンバイオ社員の皆さまお疲れ様です。


多くの方の心を掴んだのは、決算短信の中に組み込まれたこの一文だろうと思う。


「SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムは、現在、この『先駆け総合評価相談』のフェーズにいます。」


頑なに、機関投資家向け説明会でも、株主総会でも、「当局関連なので非開示です。」を繰り返し、口を閉じてきたことを、ついに表明した。
 

このことは、

A;入ったから「入った」と言ったのか

B;入っていたけど「入った」と言えずに、今「入った」と言えるようになったのか。

のどちらだろうか。


恐らくBパターンだと思う

「先駆け総合評価相談」は「品質」「非臨床」「臨床」「信頼性」「GTCP」の5区分からなっている。最初の区分の資料提出から最後の区分の申請確認文書の伝達までは、PMDAによると4ヶ月程度が目安となっている(下図参照)。ただ、この「4ヶ月」は、他社事例を見ていると必ずしも守られていない。大幅に伸びている事例もある。こういう背景から考えるに、今なら「入ったと言ってOKだよ。」とPMDAのお許しが出たのだろう。そうすると、いよいよ4ヶ月以内に申請できる目処が立ったと見るのが妥当だと思う。ざっくり今年度中の申請確度は、抜群に高いと思う。よく表明してくださっと思う。この辺りは、株主コミュニケーションを理解してくださってのことだと評価したい。

スクリーンショット 2020-10-28 19.14.25

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000123357.pdf


2021年4月の株主総会で森社長が以下の発言をしている。

“当局関連の事項が多いので非開示になる。「以前のサンバイオならもっと色々踏み込んで開示したのでは?」そういう声・そういう側面もある。数年前までは、研究開発型ベンチャー企業ということで、積極的に開示するということをしていたが、だんだん、申請・上市・販売が近づくと、製薬企業としての開示姿勢・開示方針が求められる中で、今そこに相応しい開示方針をとったという背景がある。「開示方針変わったな」と思われる方がいると思うが、会社が成長する中で試行錯誤する中で、とるべき開示方針をとっている。皆さんのご懸念はごもっともだと思うが、こういうステージにあるのでご理解していただければありがたい。最初の遅延発表後、3つの課題、安定供給の課題を説明した経緯がある。書類の作成・整備・当局との数回というのではないたくさんの話し合いがある。先駆け総合評価相談に入っているかどうかも、当局関連なので非開示になる。また、事業提携、引き続き色々な話はありますし、随時、検討している。”

こうした発言も過去あった上での今回の「『先駆け総合評価相談』のフェーズにいます。」発言は重大。PTSが張り付くことも理解できる。



また、自分は、全米外傷性脳損傷レジストリ協会(National TBI Registry Coalition、以下「NTRC」設立IRは、大分良IRだと思っている。山本さん(以前の本ブログ記事「サンバイオ元事業部長 山本さんの講演を聞いた。」参照→ http://bouchan.info/archives/30040354.html)も噛んでいるのかな?とふと思ったりする。米国市場での上市が射程圏内にグッと近づく良IR。

米国関連の大きな動きとしては、2019年の以下の2点があった。


・米国国防総省開催のシンポジウム(Military Health System Research Symposium 2019)でTBIフェーズ2の結果発表。

・SB623が、米国食品医薬品局(FDA)よりRMAT指定(※TBI適応)。いわば、米国版迅速承認制度。

周知の通り、国内TBI市場はそんなに大きくない。本命は米国市場。日本国内上市の実績を持って、米国メガファーマとの協働も今後可能性はある。特にRMAT指定は、素晴らしい制度である。

RMAT指定による優遇措置には以下の3つがある。

A:FDA(アメリカ食品医薬品局)に製品開発及び審査を促進しうるサポートを受けることが出来る。

B:優先審査制度

C:迅速承認制度

AはFDAによる審査において、開発初期から助言が得られる。

Bは10ヶ月の審査が、6か月以内に短縮される。

Cは標準的試験のかわりにサロゲート(代用)または中間エンドポイントでの結果から販売承認を行うことが出来る。つまり、手続きのスキップであり、代わりに発売後の第4相試験が必要。(やはり第3相はかなりの形で省略か?)Bのみを取り上げて、10ヶ月が6ヶ月になっただけ・・・という論調もあるようだけれど、そうじゃなく、A~C3つの特典があって意義の大きい指定である。日本国内申請の実績を持って、米国RMAT指定での米国承認となれば、相当なことになる。こういう夢も抱きたい。

ちなみに、アメリカTBIの潜在患者数で将来のサンバイオの株価を遊びで計算すると以下のようになる。(※遊びの計算です。)

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TBIはアメリカでの患者数が多く、今日のIRでは

「317 万人が外傷性脳損傷に続発する運動障害を長期に抱えて生活していると推定されています。」とある。 

 仮に317万人の5%の患者さんに投与したとして、317万人×5%=約16万人。

仮に薬価300万円として300万円×16万人=約4800億円。

低く見積もってこの3割がサンバイオの純利益だとして、4800億円×0.3=約1440億円。

1440億円を、サンバイオの発行済株式数約5000万で割ると、EPS(一株益)は2880円。

東証一部の医薬品業の平均PERが大体30ぐらいなので、2880×30=86400


株価86400円
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毎年毎年5%の患者さんに投与を続けるというわけにはいかないだろうけれど、結構保守的に見ても中々夢がある数字が出てくる。一時マザーズを牽引したサンバイオのパワーとはこういうところにある。


加えて、今日のコミットメントラインのお相手は、「りそな銀行」。今まで、「みずほ銀行」「三菱 UFJ銀行」「三井住友銀行」はお付き合いがあったけど、りそな銀行は新規パートナー。銀行業界6位の大手。このことも良IRだったと思う。

様々な良報告が盛り込まれた今回の決算。相変わらず、サンバイオは着々と進展している。この調子でがんばれサンバイオ!!


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