バイオベンチャーへの投資で「治験ギャンブル」と言われるものがある。新薬の治験が成功するか否か。それはバイオベンチャーへの投資額が0になるか、100倍になるか、というぐらいの違いがある。 製薬業界では、治験が成功する可能性はそもそもかなりの低さらしい。その治験結果発表をまたいで株を保有すること。これを、「ギャンブル」と言われるのは、頭では理解できる。
自分は、サンバイオの外傷性脳損傷の治験結果発表1年ぐらい前から、本格的にサンバイオへの一本集中投資に入った。これは「治験ギャンブル 」とみられる投資手法かもしれない。しかし、自分にはギャンブル感は全くなかった。
1年後に結果が出る。言い換えれば、1年間しっかりと治験いついての考察ができる期間があるということだ。だから1年間、じっくりと考察を続けてきた。危うさを感じれば売却すればいい。これのどこが「ギャンブル」なのか。投資なのだからリスクを追うことは当然なこと。リスクを負うことと、ギャンブルをするということは、全くの別物。1年間の研究の結果、「怪しい」「危ない」「成功しそうにない」という事象には巡り合わず、逆に、研究を続ければ続けるほど、治験成功への「確信」が持てていった。
2018年9月末。キーオープンを迎えて、最終局面。有益な情報を得られる掲示板(textream)上でよくみられた意見が、「その治験者の少数さから、有意差が出ないかもしれない」との見方だった。しかし、同時に、世界中にいる被治験者のブログや、テレビ放映された患者さんの姿・様子などから、有効に効いている事例がいくつか見えており、「有効性の推定」で早期承認に持っていくとの見方もあった。つまり、仮に統計学的有意差はでなくとも、「有効性の推定」と「安全性の確認」が見えている以上、早期承認制度を使って上市に持っていくという考え方があり、万が一治験が好ましい結果を得られなくとも、この考え方で進めていく=株価の大幅下落は考えられない。という結論に落ち着いた。
そして、伝説の2018.11.1
「統計学的に有意な運動機能の改善を認め、主要評価項目を達成しました。」
のIR
自分の本格的一本集中投資は見事に花開いた。
本命の慢性期脳梗塞の治験結果発表は今からおそらく数週間以内。11.1以降も研究をしてきて、相変わらず治験「失敗」の2文字は全く浮上してこない。今まで国内のバイオベンチャーを対比してサンバイオを見てきたが、これからは、世界の製薬企業ギリアドやアムジェンを対比に置かないと、サンバイオという会社を理解することはできないというスケールの大きさを日々実感している。 つまり、時価総額は1兆とかそういうレベルではなく、10兆とか。慢性期脳梗塞の治験成功を踏まえて、サンバイオがどのように変貌を遂げていくのか。その進捗をこれからも見ていけることが非常に楽しみでならない。