
直近のサンバイオが、一部の投資家に失望と落胆を与えたのは、次の2点だったと思う。
①2018年初頭 突然の増資発表
2018年3月13日決算説明会にて、「十分な現金を確保」「既存の開発資金は十分に確保されている」 のアナウンス。
↓にも関わらず
2018年3月20日突然のMSワラント発表。
「十分な現金を確保」「既存の開発資金は十分に確保されている」のアナウンスを得て、増資を恐れていた投資家は安心を覚えたはず。にも関わらず、たった1週間後に8%の希薄化を招く増資の発表。怒りを覚えた投資家も多いはず。
しかし、
確かに約50億円の現金を確保し、これが「十分」か「不十分」かは、各個人の価値観の問題だし、「開発資金」としてではなく、市販後の製造・物流・販売体制構築など「事業化」を見据えての増資だったので、特段の不誠実さは感じない。と自分は思う。
②前日に「順調に進捗」と言いながらの翌日の治験失敗IR
2019年1月28日の連結業績予想の修正IRにおいて、「米国における慢性期脳梗塞フェーズ2b臨床試 験及び日米で実施している外傷性脳損傷フェーズ2臨床試験が順調に進捗したことから、研究開発及び製造に関わる費用が計画値を上回った」ことからの期ズレを発表。
↓にも関わらず
2019年1月29日突然の慢性期脳梗塞P2b治験失敗IR
慢性期脳梗塞の治験成功IRが、今週か来週にでも出るぞ出るぞ!いよいよ出るぞ!の憶測を迎えていたこの頃、業績予想修正IRの中で、「順調に進捗」の5文字。これで、成功を(勝手に)確信した投資家も多いことだと想像できる。
しかし、
順調に進捗したのは、「治験が」でのことであって、キーオープンまで順調に進捗したことは確固とした事実。このIRをもって、勝手に成功を確信した人は、5文字を勝手に拡大解釈して、「治験が」ではなく、「成否が」順調に進捗したと勘違いしたに過ぎないと思う。よって、このIRからも特段の不誠実さは感じない。と思う。
結論
サンバイオのIRの出し方に、特段の違和感や、不誠実さは読み取れない。
しかし、
誤解を招かないようなIRの出し方については強く要望したいと思う。慢性期脳梗塞P2b治験失敗IRにおいても、「未達」を強烈に印象付ける出し方ではなくて、この辺りは作文の仕様でいかようにもなったと思う。
同時に、我々個人投資家も、バイアスがかからないように、投資先の会社を見る努力をしなければならない。
サンバイオを、意図的戦略で事業を進めることができる「デキる」会社だと確信を深めたのは、2018年3月の日立化成との業務提携と、2018年9月の5社との資本業務提携。どちらも、SB623治験のキーオープン前の出来事。治験の結果がわかる前から、先を見通して先手が打てるのは、「デキる」と思う。今にして思うのは、この辺りの絵の描き方が上手いのは川西会長ではないかということ。(提携したケアネット株式会社は、川西会長が創業)
投資家の中で森社長LOVE度が異様に高いのが気になる。熱狂的信者かのように、「森社長は誠実」「人柄が最高」「寝ぐせが気にならない人柄が信頼できる。」と言った意見をよく見かける。自分もサンバイオを応援する一人として、特段の嫌悪感は森社長に対して無いし、むしろ応援したい方ではあるが、なんでもかんでも森社長が行うこと、発言することに対して、イエスマンである気はサラサラ無い。
森社長と同じくらい、川西会長へのウォッチングも高めていくことが、より良い投資判断につながると思う。(川西会長はあまり表に出てこないが、この辺りも、厳しくサンバイオに要求していきたいと思う。)川西会長についても要分析だと思っている。
いずれにせよ、がんばれサンバイオ!マジで応援しています。
コメント
コメント一覧 (7)
えらい強気だね
bobouchan
が
しました
私も決してサンバイオが株主を騙そうとしたなんて思いたく無いです。素晴らしい薬を早く上市して欲しいタダそれだけです!
bobouchan
が
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さて、この誠実度に係る典型的悪事例が、アキュセラです。
2016/06/03 会社四季報オンライン抜粋
公表の前日、株価が7700円の年初来高値をつけたあとに急落していたこともあって、インサイダー取引の疑惑が浮上。「日本証券取引所が調査を開始した」との報道もあり、連日のストップ安となった。株価は6月3日時点で高値の約7分の1となる1100円近辺まで下落している。
アキュセラが26日に公表したのは、加齢黄斑変性ドライ型の経口治療薬、エミクススタト塩酸塩の臨床2b/3相試験のトップラインデータについて。臨床試験は2年前に開始して、今年6月中に結果を公表する予定だったが、前倒しして発表した。508例の患者に毎日1回の飲み薬を投与したが、主要評価項目について、萎縮病変の進行に差が認められず、治験開始前と比べて、投与群とプラセボ群での有意差も見られなかった。特定の遺伝子プロファイルを持つ人には有意な効果が見られたとあるが、詳細は公表されていない。
アキュセラによれば、臨床2相aでは90日間31人に投与し23人で損傷範囲の改善が見られるという結果が出ていた。このため、2b/3相試験には市場からも大きな期待が寄せられていた。
アキュセラが何故不誠実であったか、以下個人的見解です。
アキュセラの窪田社長は
「もちろん、この段階(臨床2相a)」では統計的有意差はありませんし、3ヶ月の試験の結果にすぎませんから、断定的なことを申し上げることはできません。しかしながら、少なくとも「エミクススタト」を服用した患者さんは進行がとまり、プラセボグループの患者さんは進行するというトレンドがあるということは確認できました。」と投資家に伝えました。
(以下次投稿に続く)
bobouchan
が
しました
一方で、眼科専門誌Retina掲載当社論文を見ると、実は下記問題が当初からあったのです。
計画された投与期間は90日間であった。しかし、7mgおよび10mgの用量コホートは、有害事象の頻度および重症度のために早期にスポンサーによって中止された。中等度および関連する眼の有害事象は、7mg群の12人の被験者のうち3人および10mg群の6人の被験者のうちの4人に発生した。これらの有害事象は、初回投与後7日以内に早期発症する傾向があったが、治験薬の中止後に解決した。7mgおよび10mg投与群の平均暴露量は25日間であり、他の治療群では90日間であった。
2 mg〜10 mgの範囲の投与量を受けた7人の被験者は、一過性の両側視力喪失を有する1人の被験者を含めて、研究期間中の視力低下を経験した。
emixustat被験者のおよそ4分の1は、中等度の眼の有害事象を経験した。以上です。
統計的有意差がないと断りつつも、不都合な事実は意図的ではないかもしれないが、当時投資家にはオープンにされなかったことだけは事実です。
これこそ誠実でなかったことの典型例です。
サンバイオが、不都合な事実を隠蔽することのない、正確な情報の即時提供をしてくれる限り、投資家に誠実な会社です。投資家への媚へつらいのIRを期待するのは、投資家の甘えです。
余談ですが、より重要なことは、バイオの世界に絶対はない。1%のリスクでも、それが顕在化すれば、全て水の泡になる。アキュセラショックもサンバイオショックも、その1%が投資家にしてみれば起こっていしまった、ということです。万が一にも発生した時に、致命傷を負わないよう、「自身の体力に応じた生き残れる投資スタイルを守る」ことが最重要です。
bobouchan
が
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本日、サンバイオの応援掲示板に脳出血の後遺症患者様からの投稿がありましたが、僕は「サンバイオは応援するに値する会社である。」と言うことを広めたいです。紆余曲折もします。投資家にとって不都合なことも起こります。治験の未達も経験します。しかし、多数の病や怪我で苦しむ人々を救う新薬の開発に真摯に取り組んでいることは紛れもない事実です。その過程において、totochanさんご指摘のアキュセラのような失態も犯してはいませんし、アキュセラとは違った、新鋭的で、チャレンジングで、愚直な企業体質も感じ取れます。
脳梗塞や外傷性脳損傷始め、脳出血も、加齢黄斑変性も、アルツハイマーも。その他サンバイオのパイプラインに並ぶ適応症に苦しみ、病克服のためのご尽力されている方々には、「サンバイオを応援しましょう。時間がどれだけかかるかは今はわかりませんが、サンバイオは応援するに値する会社です。」と僕は言いたいです。
がんばれサンバイオ!多くの人が藁をもつかむ思いで見ています。サンバイオが多くの患者様の光であることを、御社を応援する個人投資家としても誇りに思っています。
bobouchan
が
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